―良い死に方?―
そうだ。ただ静かに横になって死ぬ時を待っていては、マラキャスは喜ばないだろう。
―なぜ死にたいんだ?―
もう逝く時が来た。族長になるには年を取り過ぎた。この年で嫁を迎えるのは間違いだろう。だから死ぬんだ。マラキャスは華々しい死の予言を与えてくれた。その時が来るまでここで待つつもりだ。で、このとおり、まだ最後の時は来ていない。
―それほど年老いては見えない。まだまだ有能な戦士に見える―
いかにも。自分の事をまともだと言えるうちに死ぬべきだ。我々オークの男は、ノルドやインペリアルとは違う。彼らは老いて体も弱り、髪の毛が抜け落ちるまで生き続けるがな。過去の栄光にすがりつくなど愚かしい事だ。自分が老いたらどうする?
―何を言っても変わらないか…―
立ち去ってくれないか。せっかくの良い死に方を台なしにされそうだ。彼の発言で、オークという種族がどういったものか、なんとなくわかるだろう。
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